コンデンサモータとは

コンデンサモータは、「コンデンサ誘導モータ」「永久分割コンデンサモータ」とも呼ばれるACモータの一種です。

ACモータを利用電源で分類すると、三相交流※1を使う三相誘導モータと、単相交流※2を使う単相誘導モータに分かれます。
単相誘導モータにはいくか種類がありますが、そのひとつが、コンデンサ※3を使って磁界を作り、擬似的な二相電流を発生させて回転のきっかけにするタイプ※4です。コンデンサを始動に利用することから「コンデンサモータ」「コンデンサ始動形モータ」などと呼ぶこともあります。なお、始動時だけでなく運転中もコンデンサを使って回転を維持するタイプのモータもあり、「コンデンサランモータ」あるいは「永久コンデンサ形モータ」と呼ばれます。

※1
三相交流発電所から送配電され、工場などで使われる交流のことです。
※2
単相交流:一般家庭に配電される交流のことです。
※3
コンデンサ:電気の蓄積・放電を行う電子素子のこと。キャパシタとも呼びます。なお、単相誘導モータには、コンデンサを用いないくま取りコイル型モータもあります。
※4
単相誘導モータには、始動にコンデンサを利用する「コンデンサ始動形」以外に、「分相始動形」や「くま取りコイル始動形」があります。
コンデンサモータの仕組み
家庭などに配電される単相交流でモータを回転させるには、回転のきっかけを作るための仕組みが必要になります。そこでコンデンサモータは、図に示すように主巻線と補助巻線を組み込んで、主巻線は電源に直接つなぎ、補助巻線はコンデンサ経由で電源をつなぐ構造になっています。

モータの電源を入れると、まず主巻線に電流が流れ、次にコンデンサによりやや遅れて補助巻線に電流が流れることになります。こうして主巻線と補助巻線の間で電流に位相(波形の時間的なずれ)を生みだし、主巻線→補助巻線→主巻線→補助巻線→主巻線…と順番に磁界が発生していくことで、モータは回転力を得ることができます。

コンデンサモータが生まれた背景
単相誘導モータ(コンデンサモータ)の原理のひとつといわれるのが、1824年にフランソワ・アラゴーが発見した「アラゴの円盤」です。これは非磁性体(銅板やアルミ板などのように磁石に反応しない金属)の円板に沿って磁石を回すと、円盤が磁石を追いかけるように回転するという現象です。

19世紀末に、交流電気システムの主張で知られるニコラ・テスラが、実用的な誘導モータを発明し、その技術を確立したことでAC(交流)モータが産業界に取り入れられることになりました。その後、さらに扱いが容易で、シンプルかつ低コスト、小型化の容易な単相誘導モータが登場したことで、広く一般家庭や中小工場などで家電類や各種機器の動力源として使われるようになりました。

しかし今日では、単相誘導モータと比べて、より高効率で扱いやすいECモータが普及したため、多くの分野でECモータが使われるようになりました。なお、ECモータはElectronically Commutated Motorの略であり、一般にはブラシレスDC(BLDC)モータと呼ばれます。

コンデンサモータとECモータの用途
コンデンサモータは、身近な単相交流電流で利用できることから家庭用や小規模工業、農業などの分野で幅広く用いられていましたが、最近ではECモータが使われることが増えています。

ECモータの用途としては次のようなものがあります。

空調機器
住宅設備
給湯器、バーナーユニット
環境機器
お風呂周り製品
自動販売
冷凍・冷蔵ショーケース
金融端末(ATM)、釣銭機、両替機、券売機
クリーンルーム
光学製品
プリンタ
複写機
健康機器
商用機器

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