スイッチング素子を使うAC/DC変換方式

スイッチング素子を使うAC/DC変換方式を図5に示します。

スイッチング方式は、最初に100VACをダイオードブリッジで整流します。トランス方式では、まずトランスでAC/ACの降圧を行いましたが、スイッチング方式は高いままのAC電圧をそのまま整流します。したがって、ダイオードブリッジは高電圧に耐えうる仕様のものが必要になります。100VACはピーク値では140V程になります。

 

次にコンデンサを使って平滑します。こちらも高電圧仕様のものを使用します。

続いて、この高いDC電圧を、スイッチング素子をON/OFFすることによってチョッピング(切り分け)をして、高周波トランスを介して二次側にエネルギーを伝達します。この時のON/OFF周波数、つまりスイッチング周波数は、入力ACの周波数である50/60Hzに比べてかなり高い数十kHzの周波数を使い、図5のような方形波のACに変換します。

 

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図 5:スイッチング方式の AC/DC 変換

この高周波のAC電圧は二次側の整流ダイオードで整流され、そしてコンデンサで平滑され、設定されたDC出力電圧に変換されます。図では高周波ACの整流波形が省略されていますが、1つのダイオードを使った半波整流なので図2を参照願います。また、所望のDC電圧に変換するには、図5にあるようにスイッチング素子の制御回路が必要になります。(この回路構成はフライバックと呼ばれる方式の例です。フライバック方式につきまして後述します。)(スイッチング電源

 

高いDC電圧を切り分けてACにして、再び整流-平滑によって低いDC電圧に変換する方法は、通常のスイッチングDC/DC変換と同じです。スイッチングDC/DC変換の過程を細分化すると、DCからACに、そしてDCへということになります。ちなみに、3端子レギュレータを使ったリニア方式のDC/DC変換は、単純にDCをDCに変換します。(ブラシレスDCモータ(BLDC))